雑誌「チルチンびと」別冊41号掲載 岐阜県 ㈲亀津建築
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 林邸が建つ可児市は、名古屋から北東へ電車で1時間ほど。北部には木曽川が流れる。高い建物は少なく、瓦屋根の家がちらほら残る郊外の町。国道から少し入っていくと、控えめだが風合いのある平屋が見えてきた。 そとん壁の掻き落としと、軒の低い屋根が、町並みに落ち着きを与えている。三和土の玄関を上がり扉を開けると、大きな開口部から光が入り、明るい広々としたLDK。木を張った天井がぬくもりを感じさせる。そしてLDKからつながっているかのようなウッドデッキと、庭で元気に走り回る二人のお子さんの姿が見える。 以前は中津川のアパートで暮らしていた林さん一家。ご主人が長男なので、かねてから実家のそばに住みたいという思いがあり、引っ越すことに。 家を建てるにあたり奥さんが希望したのは平屋の家。以前のアパート暮らしは子育てに最適だったという奥さん。階段もなく、扉を開ければ一つながりになる3DKの部屋。そこを子どもたちが自由に走り回る、その延長で暮らしたいと思っていたそうだ。 素材や工法を勉強するためにもハウスメーカーをまわったが、希望しても平屋をすすめてくれるところがなかった。そんな折、家族でよく遊びに行く知人の家を建てた、亀津建築を紹介してもらう。夫妻は遊びに行くたびに、「こんな家に住みLDKだけ天井を高くして、より開放感を感じるつくりに。杉の床と天井で木のぬくもりたっぷり。庭の畑も見える。左/奥さんがしつらえたバラ。 右/落ち着きのある客間用の和室。黄土という黄みを帯びた土を用いた土壁。キッチンからも庭や遊んでいる子どもたちの姿が見える。111

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