雑誌「チルチンびと」82号 岐阜県 ㈲亀津建築
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211ダイニング。テーブル横の開口は低い位置に。障子を引き上げ、池を眺めながら食事を。薪ストーブはデンマークのモルソー社製。壁に寄せられる小型のタイプを選んだ。リビングから見たダイニング・キッチン。平天井で落ち着いた趣に。手前の格子の引戸の先は玄関ホール。から通っていた。同じ敷地内に家をつくるのは奥さんの夢だったという。やがて建て替えが決まると、当然のごとく亀津建築でという話になった。「独立時から植栽の仕事で亀津さんのお世話になり、自然素材の家づくりに共感していたので、こちらしか考えられませんでした」とご主人。 設計の際に望んだのは、楽しい家であることが第一。特にLDKは家族ばかりか友人も集うので開放的な空間がいい。キッチンは子どもたちが手伝いたくなるよう動きやすいつくりに。薪ストーブは絶対条件だ。 もう一つのリクエストが、2階の北側に和室を設けること。長久手の花火大会は夏の風物詩として人気が高いが、この位置から見るとちょうどいい方角に花火が上がるのだ。「雨が降ってもゆっくり眺めたくて」と夫妻が顔を見合わせて笑った。 構造材は、柱が東濃ひのき、梁が県産の杉だ。仕上げ材も杉。ただし、天井は白太、床は赤身と材を使い分けたと施工を行った亀津薫さんは明かす。すっきりした雰囲気は、自然素材を自在に使いこなす同社らしい心遣いと技から生まれたといえよう。 仕事場は建物としては家と一体になっているものの、いったん外へ出てぐるりと回らないと行き来できな仕事は増えても忙しくない

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