雑誌「チルチンびと」別冊43号掲載 岐阜県 ㈲亀津建築

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102 　壁はすべて土壁。その調湿効果によ り、室内の空気はさわやかだ。「湿気 はまったく感じないです。土壁なんて 今どきなかなかできないし、それが我 が家を特別にしてくれるようで気に入 りました」とご主人。工事中、毎週の ように現場を見に来ていた夫妻。土壁 塗りにも参加し、家づくりの過程を楽 しんだ。 　竣工して1年を過ごした夫妻は「前 のアパート暮らしとは段違い。夏涼し く冬暖かいことが当たり前といえる快 適さを日々かみしめています」とうれ しそうだ。土壁のおかげで夏は部屋が ひんやりし、エアコンいらずだそうだ。 　また、冬の暖房器具はご主人の希望 で薪ストーブを導入。「寒い時期も、 部屋の中でTシャツで過ごせるという 優越感に浸っています」と話すご主人 は、山で木を伐り倒し、薪割りをする のがいちばんの楽しみ。積んである薪 を見た近所の人が、薪を分けてくれる こともあるとか。 　一方、奥さんは家の脇にある畑に夢 中だ。隣に住むご主人の祖母を「師匠」 と呼んで、教わりながら野菜を育てて いるという。「ここに住むまでは野菜 が採れる時期もわからなかったのに、 やってみたら楽しくて」と奥さん。 　家ができてからはあまり出かけなく なったという夫妻は、この土地での暮 らしを存分に楽しむ術も手に入れた。 右／玄関は、冬場、外からの寒気を遮 断するために障子で仕切れるように。 左側にある通路が暗くならないよう上 部のみガラス張りにした。　中／玄関 ホールと通路。　左／家の中心に配し た玄関。杉の扉の経年変化も楽しみの 一つ。 寝室の天井は白い漆喰塗りで明るい空間に。 右／子ども室は将来中央で仕切れるように。　中／ ひどい花粉症の夫妻に、洗濯物を干すためのサン ルームをつくった。　左／洗面所の天井は板張りに。