雑誌「チルチンびと」89号掲載 山梨県 ㈱山口工務店
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138という気持ちを強くもっているようです」(奥さん)。すくすく伸びたシラカバの木立の間に色鮮やかな草花が咲き乱れ、二人の植物への情熱が伝わってくる。ときには外でランチをいただくことも。空気がいいのでなんでもおいしいと、にっこり。 気温が氷点下まで下がる冬は屋内にいる時間が増えるが、OMソーラーが効いて家全体がやわらかな暖かさに包まれる。居間の薪ストーブのそばで揺れる炎を眺めながら音楽を聴くと、心が癒されるとのこと。「夫妻はいつお会いしても仲がよく、都会と田舎それぞれに充実した生活をされている様子でうらやましいです」。山口社長がこう言うと、ご主人がちょっぴり照れた表情を浮かべた。「私たちは昔から山が好きで、ご縁があってこの土地に住まいをもちました。動植物の生態を観察すると人間も生き物、それもかなり愚かな生き物ではないかと思ったり。山の家はなかなか哲学的な空間です(笑)」。奥さんがそっと口を添えた。「ここへ来るたびに、同じ1日でも東京より時間がゆっくり流れる気がします。手づくりのすてきな家を建ててくれた山口さんに感謝しています」。上/書斎は壁面すべてが造り付けの本棚になっている。ご主人は棚ごとに置く本を分類し、サイズに合わせて高さや奥行きを指定した。本に「囲まれた」感じがなんともいえず心地よい。左側にロフトもある。 左上/手前の居間と食堂は勾配天井でオープンな雰囲気が漂う。大きな梁を見上げるのが楽しいと夫妻。一方、奥の台所は天井をやや低めに抑えており落ち着きを感じさせる空間だ。台所はシンプルにという奥さんの願いに応え、大きな食品庫をそばに設置。 左下/台所に立つと窓の外に八ヶ岳の稜線が広がり、家事の時間を楽しくしてくれる。

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