雑誌「チルチンびと」89号掲載 山梨県 ㈱山口工務店
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136上/食堂より居間を見る。正面の窓から明るい光が降り注ぎ、緑あふれる庭を近くに感じさせる。 左/右の写真を反対方向から見るとこのように。あちこちに開口部を設けたが、OMソーラーと薪ストーブの効果で室内は東京より暖かいぐらいという。床はカラマツ。無垢材は暖かみがあり、冬も素足でいることが多い。 下3点/各地で見つけた夫婦お気に入りの品々。家づくりに着手する前に   土地の人と交流を重ねた 矢向さん夫妻の家は南アルプスの山麓に建つ。ふだんは東京に住んでいるが、3年前から週末をこの地で過ごしている。ご主人が述懐する。「仕事でイタリアに5年ほど住んだ折、バカンスを楽しむあちらの文化に触れ、そういう人生もいいなあと。帰国後、たまたま雑誌で別荘の特集を見て、自然に囲まれた場所に家をつくりたいと考えたんです」。 候補地のなかでここに決めたのは、山の連なる景観に心を奪われたから。ただ、数年は土地に手をつけず休日ごとに草刈りに通った。これがよかったという。家づくりに着手したら近所の方も喜んでくれたが、すでに親しい関係を築いていたことがその背景にあるといえそうだ。友人から紹介された何社かの工務店の見学会に参加した結果、白羽の矢を立てたのが北杜市に拠を置く山口工務店。無垢材を使い大胆に梁を現す同社の手法が決め手だが、親身になってくれる山口利秋社長の実直な人柄にも惹かれたと二人は口をそろえる。 設計に際しては〝自然ありき〞の

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