雑誌「チルチンびと広場」85号掲載 山梨県 ㈲高橋建築舎
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202ければと感じています」。 また、このモデルハウスは「チルチンびと仕様の家」の基準を満たしているのも特長の一つだ。同社は『チルチンびと「地域主義工務店」の会』に入会して6年が経つが、髙橋社長は「それまでも材や構造にはこだわりをもっていましたが、入会以来、より徹底するようになりました。また、手刻みのよさを再認識し、今後は我が社で手がける住宅はすべて手刻みにできればと考えています。いかに効率よく刻むかが重要になるので、そうした面でも大工を育成していかなくてはと考えています」と話す。「あとは、建築家の先生方の作品を見学したり、直接お話をうかがう機会があるのも、いい刺激になっていますね」。 これまで同社が手がける家は構造を見せる真壁が多かったが、モデルハウスはスッキリとした印象を求めて大壁とし、手すりにアイアンワークを採用するなど、デザイン面でも新たな提案を行った。「モデルハウスは、別荘としても、定住する家としても暮らしやすく、年代も30〜60代まで幅広い層に対応できることを考えました」。 目を引くモダンなストーブは、イタリア・Ravelli社のペレットストーブ。「このあたりは冬は積雪もあるし、朝晩はマイナス10℃を下回ることもあるので、暖かい家づくりは必須」とのことで、同社では床暖房とペレットストーブをすすめることが多いという。「薪ストーブに憧れる方も多いのですが、薪割りの負担が大きい。その点ペレットストーブなら燃料の入手も扱いも簡単ですし、導入費用も施工費込みで60万円ほどと手軽です」。 モデルハウスのオープンから1年。地元に暮らす若い家族がたくさん足を運んでくれ、地元のお客さまも増えて来たという。これからの目標を尋ねたところ「できることなら、同じモデルハウスを甲府あたりにもう1棟建てて、広く県内にアピールしていけたらと思っています」と力強く語った髙橋社長。今後、同社が提案する家づくりは、より広く地域に受け入れられていくことだろう。上:ダイニングからリビングと和室を見る。左2点:ダイニングの奥に設けられた家事室と、ダイニングテーブルの横の出窓。右・左下:手すりや時計、郵便ポストなどのアイアンの作品は、大泉にアトリエを構える「工房 KOJI」にオーダーしたもの。 左上:玄関ホールの建具には、アンティークな印象のガラスをはめこんだ。左:大きな掃き出し窓のある浴室は開放感たっぷり。右:トイレの鏡や洗面ボウルもモダンな印象で統一。大壁に映えるモダンなペレットストーブ

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