雑誌「チルチンびと」70号掲載 新潟県 ノモトホームズ ㈱野本建設
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60幸甫さんとその弟子の伊藤誠康さんがデザインした美しい空間である。 同社では、全棟の設計に顧問として伊藤さんがかかわり、社内の設計者とともに住宅を設計する。これは、泉さんの「地域の工務店の設計力を高め、日本の風景を美しくしたい」という理想に共鳴した独自のスタイル。この協働の家づくりによって、「モデルハウスの高い質そのままに、予算や暮らし方に合わせた家が建てられます」とノモトの佐藤茂雄さんは語る。また、伊藤さんとともに設計を担う同社の北村まゆ子さんは「美しい細部を積み重ね、家全体として気持ちいい家をつくる伊藤さんの技は勉強になります」と話す。 こうしてノモトスタイルでつくられた小笠原邸。一家のお気に入りは、〝キャンプルーム〟と呼んでいる2階ホールだ。ある時、寝室でなくホールで眠った際、布団を敷くとちょっと窮屈でテントで寝ているようだったのが名の由来。吹き抜けの下で薪がはぜる音を聴きながら眠り、朝は窓から差す陽光の美しさに気づく。 住む人の五感に新しい発見をくれる家。そこに暮らす日々が、子どもたちの心を豊かに育んでいくだろう。南側外観。北側を走る通りからの視線はデッキ、バルコニーで遮りながら、大きく開口部を取る。2階ホール(キャンプルーム)。手すりに整然と紙紐が巻かれているが、これはご主人の母上の手によるもの。右上/2階ホールから階段方向を見る。建物は、窓からケヤキがよく見えるよう、くの字型になっている。 右下/和室。3畳とコンパクトだが、とても落ち着く。 左/子供室。

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