雑誌「チルチンびと」70号掲載 新潟県 ノモトホームズ ㈱野本建設
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56リビングとダイニング、キッチンがつながる。「調理中も子どもと話せるのがいい」と奥さん。 雪除けの雁木づくりのアーケードが特徴的な、長岡市街から少し離れた住宅街。大きなケヤキの下に、あたたかな明かりが灯る木の家がある。 和紙張りの下足入れの扉が印象的な玄関。目透かしの引戸を開けると、漆喰と木が織り成す美しいリビングが広がる。その伸びやかな吹き抜けの空間では〝みにくいアヒルの子〟の愛称を持つ、スウェーデン、スキャン社製の薪ストーブが燃えている。 「今は他界した父が、昔買ってきて岩手の実家で使っていたものを選んだんです」とご主人。幼い頃から薪ストーブに親しんでいたご主人は、「ストーブは毎日、普通に使うもの」と言う。朝起きたら薪を入れて部屋を暖める。その火を使って米を炊く。新潟特産のイカの一夜干しなどを炙って食べるのも楽しい。でも、火の魅力はそれだけではない。 小笠原邸では、すべての照明が調光でき、あたたかみのある黄白色の電球を中心に設置されている。「必要な時と場所に、必要なだけの明るさを、というのがこだわり。光じゃなくて、〝明かり〟なんです」とご主人。漆喰の壁の質感を浮かび上がリビングからキッチンを見る。漆喰と杉床が調和する。

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