雑誌「チルチンびと」神奈川版②掲載 神奈川県 ㈱ワイズ
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の思いがきちんと汲みとられており、信頼が深まったと二人は口をそろえる。山本さんは、次のように話す。「私たちは、環境や立地に合わせたうえでお客さまのテイストを設計に反映させるよう心がけています。Sさんは町家ふうにと望まれましたが、敷地の形状からもそれが最上の選択でした」。 8カ月の工期を経て今年5月に家が完成、5人家族の暮らしが始まった。 1階はリビング・ダイニングを中心に半独立のキッチンと水まわりが隣接。2階には主寝室と子ども室、ホールを設けた。子ども室は、いずれ子どもたちが巣立ったら仕切りを取り外すなど、空間をフレキシブルに使える。 「町家」という住まい手の願いに対し、つくり手の山本さんが出した〝解〟が、敷地に沿って玄関・中庭・リビングとそれぞれ異なる空間がゆるやかにつながるプランニングではないか。道路側に突き出て目隠しの役を果たす玄関からL字型の縁側をもつ中庭へ、さらにリビングへと導かれる。内と外の世界がさりげなく仕切られ、中右上/子どもと一緒に作業できる大きなキッチン。食品庫、勝手口が裏に。 上・右下/階段もリビングの一部。階段下に設置したペレットストーブ(71ページ左下写真)が家全体を暖める。玄関から中庭、リビングへゆるやかに空間がつながる69

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