雑誌「チルチンびと」86号掲載 神奈川県 ワイズ㈱
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255 その言葉どおり、キッチンカウンターの正面にも版築壁がある。この版築は仕上げとしてのみならず、100ミリの壁内に80℃のオイルが循環するパイプを埋め込んだ「版築ヒーター」としても機能する。「デザインのアクセントにするだけでなく、実用的な版築の使い方を提案したいと開発しました。温度と土の厚みなどを4年ほど研究して、実用化にこぎつけた第1号なんです」。 そして、LDKのまん中にはペレ工法のため、現代の住宅で取り入れるのは珍しい。その版築壁に囲まれたアプローチを通って玄関へと入る。玄関の小ぶりなホールの先は、吹き抜けのあるLDKの大空間が広がる。「敷地を生かすために、外構の版築壁で囲まれたスペースまでを内部ととらえて設計しています」(山本社長)。 山本社長は、左官業界出身という経歴からも、土へのこだわりはひとしおだ。「これまでも木摺下地に砂漆喰の『木摺漆喰工法』の家を建ててきました。このモデルハウスでは、さらに一歩進んで版築を内外に取り入れたんです」。リビング上部は吹き抜けになっている。リビングの丸テーブルはワイズのオリジナル。限られた敷地を有効に使うため、床座リビングを提案。キッチンやダイニングとの目線の高さを合わせるため、リビングをスキップフロアに。ストーブのぬくもりを蓄熱

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