雑誌「チルチンびと」100号掲載 神奈川県 ㈱ワイズ
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出窓の冬障子を閉めた様子。 横浜市栄区の住宅密集地に建つこの家には、5人家族が暮らしている。当初は夫婦と三女の瑠る以いさんの3人が住む計画だったが、一昨年の春に家が建ってから、成人して家を出ていた姉妹たちが、引き寄せられるように戻ってきた。「家の居心地がよくて」。そう姉妹たちが声を揃える土壁の家が建つまでにはこんな経緯があった。 そもそもの始まりは、キッチンなどの水まわりに不具合が生じ、床も含めた改修を考えたことからだった。住みながら直すことは難しく、改修の全体の費用、引っ越しを考えると「それならば、いっそのこと、老後の家として建て替えてしまおう」。夫婦の間にそんな気持ちが浮かび上がった。自然素材を生かしきるこだわりの木と土の家 建て替えの考えが定まると、先々の年金生活を見越して、「できるだけメンテ好きなものに囲まれてシンプルな生活がしたい素材やつくりに愛着を持った大切なものを、そばに置いてナンスフリーの家にしたい」とご主人は思った。「外壁はガルバリウム鋼板もいいかなと、素人ながら考えていました。ワイズさんと知り合って話しているうちに、土や漆喰は時間をかけて固まっていくわけだし、意外とメンテナンスが楽なのか

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