雑誌「チルチンびと」別冊36号掲載 神奈川県 ㈱高棟建設工業
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30 このように海辺暮らしを楽しんでいるNさん一家だが、住み始めてからわかった注意すべき点もあるという。その一つは、〝鳥害〟だ。「うちの換気ダクトのフードの中に巣をつくって。セキレイの仲間かな。可愛いんだけど掃除が大変だったんです」と笑う奥さま。外壁の一部が妙に汚れると思ってフードを覗いたところ、意外な居候に驚いたそうだ。これについては、一部のフードを取り替えて解決した。以来、鳥は庭で遊んでくれているそうだ。 また、「このあたりは、海から強い風が時折吹くんです。台風の際に一度だけですが、網戸が外れて飛んでしまったこともあります」。網戸はストッパーの固定ねじを締めることで対処している。また、この風が海水や砂を運んでくるため、窓が塩で汚れたり、デッキに砂が上がる。こうしたことは掃除すればいいだけとのことだが、湿気を含んだ海風が板張りの外壁に与える影響もある。 N邸の外壁は、檜の無垢材の両面に柿渋を塗り、表側は施工後にもう一度柿渋を塗っていた。柿渋は防カビ効果や防腐効果があり、重ね塗りすれば皮膜ができ、耐水性もある。N邸では、132縁側との接合部(右)や、軒の下など、雨が乾きにくい部分で黒ずみや緑の苔が付着していた。(P.30写真提供/高棟建設工業)[メンテナンス工程]外壁の塗り替えの様子。[1]洗剤を使って残った柿渋を洗う。[2]洗浄は機械ではなく手作業で。[3]きれいになった木部を再び塗装する。メンテナンス前のN邸外観。 右上/南西側。外壁の汚れは比較的目立たない。左上/北東側。軒天井などが黒ずんでいた。 左下/西側。外壁の一部が黒ずんで見える。海辺の家のメンテナンス

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