雑誌「チルチンびと」47号掲載 神奈川県 ㈱和工務店
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3ページ  そんなTさんの要望は、リゾートホテルのような、ゆったりとくつろぐことのできる空間がほしい、というものだった。事務所併用住宅なので、仕事とプライベートにメリハリをつけたかったのだという。  これを受けて佐俣さんが提案したのが、開放的な空間構成と上質な室内の仕上げだった。広いウッドデッキとタイル張りのテラスをリビングとつなげ、天然木や大谷石など厳選した自然素材をインテリアにふんだんに使っているのだ。「リゾートホテルに宿泊することも多く、本物を知るTさんにふさわしい空間を提案しました」と佐俣さん。その結果、本物の素材だけが醸し出す、上質で落ち着いた空間が生まれている。 生活の楽しさを家が教えてくれた  和工務店は1989年創立。佐俣社長自らが大工出身ということもあり、素材からモノづくりをするのが得意な工務店だ。「モノづくりの現場を熟知しているので、柔軟な設計が可能です」と佐俣さん。自社に家具工房を持っているのも強みだ。可能な限り自然素材と国産材を使った家づくりを進めるほか、大工技術継承のため、「大工育成塾」から若い塾生を受け入れているという。  Tさんのお宅は、南側に隣家が迫るため、北向きの建物配置となっている。ところが、室内はどこでも一定のぬくもりに包まれている。「朝起きた時に寒くないのがいいですね」とTさん。これは、適切な断熱と二重通気工法に加え、ベタ基礎の上に暖房機を設置するというシンプルな床下暖房の採用によるものだ。 「この家に住むようになって、生活の楽しさを実感できるようになりました」とTさん。多忙な仕事をこなしながらも、リビングでしばしくつろぐ時間は何ものにも代え難いリフレッシュタイムだという。「もう少し落ち着いたら、友人をたくさん呼んでパーティを開こうと考えているんですよ」と話すTさんの明るい笑顔が印象的だった。

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