雑誌「チルチンびと」別冊35号掲載 神奈川県 ㈱加賀妻工務店
3/4

3ページ が気に入ったという。「それと、紀州の杉を使う点、営業スタッフの親しみやすさですね」とご主人。つまり技術とセンス、素材に加え、気軽に相談できるスタッフの存在も、家づくりには欠かせぬ要素ということだろう。 世界に一つ スキップフロア  加賀妻工務店の担当者に土地を見てもらい、まず設計プランを提案してもらう。古賀邸の家づくりはそんな風に始まった。ご主人は、同社の設計担当、高橋一総さんに図面の引き方を教わって、自分でも設計プランを立ててみたそうだ。  「やってみると難しい(笑)。高橋さんの案は、なるほどよく考えられていると、改めて感心しましたね」  それで夫婦は加賀妻の設計プランをベースに、造り付ける棚の位置や使いやすい高さ、幅など、細かい部分で具体的な要望を出し、肉付けしていく形をとった。  ただし、2階北側の一角だけは大幅に変更した。ここは最初のプランでは部屋でなく納戸。屋根の高さ制限で天井が低くなり、圧迫感を与えてしまうため、加賀妻が配慮したのだ。が、夫婦はスペースを有効活用したいと考え、浴室、洗面、ランドリールームをこの一角に集める案を出した。  この提案がきっかけで生まれたのがスキップフロアだ。北側の床高を2階よりもステップ2段分ほど下げるというもの。この方法だと天井の位置を変えなくても、大人が立って圧迫感を感じない空間を得られる。結果、見晴らしのよい2階浴室が誕生。広い洗面所もできた。  床を下げるとは斬新な発想だが、加賀妻の山田幸生さんは「古賀さんの要望があって導かれたアイデア。お施主さんとの共同作業の成果です」と説明する。施主と工務店のチームワークがよりよい家づくりを実現したわけだ。  ご主人は「約1年住んでみて、文句なしの家」と言う。そして、こうも話す。「父は建具屋なもので、大工仕事や素材のチェックが厳しいんですよ。でも、その父がこの家には納得した。息子としてはうれしかったですね」

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る