雑誌「チルチンびと」98号掲載 神奈川県 ㈱加賀妻工務店
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地域主義工務店の会…③198 無垢の木のぬくもりが印象的な、吹き抜けのリビング。薪ストーブの炎が揺れ、愛用のスピーカーからジャズが流れる。「ずっと思い描いていた暮らしを実現できました」と目を細めるのは、ご主人の和わきお貴男さんだ。 若林さん夫妻がこの家を建てたきっかけは、以前住んでいた家が再開発地域に入り引っ越しが必要となったこと。ともに小学校教諭として長年多忙な日々を送ってきた二人は「退職後の人生を楽しむ住まい」を求めた。 かねてから無垢の木の家に憧れていた夫妻は、自然素材にこだわる工務店を探し、加賀妻工務店と出会う。「自社大工が誇りと真心を持って建ててくれること、堅実で落ち着いたデザインが素晴らしいと思いました」(和貴男さん)。 間取りの面で夫妻が希望したのは、夫婦でゆったり過ごせることと吹き抜けリビング。それを受けた加賀妻工務店社長の高橋一かずさ総さんは、1階を開放的な大空間とし、コンパクトな2階に寝室や納戸を配した。 建材は「おすすめで」と一任。大人二人の落ちついた暮らしを思い描いた高橋さんは、床、天井、柱、梁を温かみのある杉で統一し、壁は美しい漆喰仕上げとした。さらに、家中すべての手間をかける楽しさを味わいながら暮らす設計・施工= ㈱加賀妻工務店神奈川県 若林邸夫婦でおだやかに過ごす終の棲処に取り入れたのは、薪ストーブ、美しい障子、そして木のぬくもり。そこには、炎を眺め、心からリラックスして料理や音楽を楽しむ贅沢な時間があった。写真=川辺明伸 文=林 菜穂子123退職後の悠々自適な暮らしを見すえて

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