雑誌「チルチンびと」79号掲載 神奈川県 ㈱加賀妻工務店
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チルチンびと「地域主義工務店」の会まるで図書館のよう大きな本棚のある住まい息子たちが独立し、借りていた家が広く感じられるようになった夫婦。縁あっていい土地が見つかり、二人暮らしに合う新居をつくった。テーマは奥さんの提案した「ちょっとワクワク感のあるオシャレな家」だ。写真=山田新治郎  文=石川祐子 大邸宅も多い神奈川県大磯町にあるK邸は、夫婦の﹁控えめに﹂との望みどおりシンプルな外観。現代の庵といった風情だ。扉の向こうには玄関と土間収納の仕切りを兼ねた飾り棚があり、貝殻や小石など夫婦の旅の思い出の品が出迎えてくれる。 ほのぼのとした気分でリビングに入ると、今度は驚きが待っていた。大きな本棚の壁が吹き抜けの2階天井まで届き、鉄骨階段がそれに寄り添うように上っていくのだ。そして本棚で仕切られた奥は、1階が奥さん、2階がご主人の書斎。 本好きにはまさにワクワクもののこの空間をデザインしたのは、K邸を手がけた加賀妻工務店の設計担当、髙橋一かず総ささんだ。本棚をたくさん欲しい、個々の書斎も必要と夫婦から要望があり、﹁それらの要望を組み合わせ、使いやすさを考慮するうち、自分の中で自然とこのイメージが立ち上がってきました﹂と髙橋さんは話す。奥さんも﹁ヨーロッパの大学の図書館ってこんなつくりですよね。カッコいいなと憧れていたので、我が家で実現したなんて、でかしたゾ、髙橋さんって感じ︵笑︶﹂と目を輝かせる。 加賀妻工務店を選んだのは奥さん工務店のセンスも大事神奈川県加賀妻工務店白壁が映える明るい吹き抜け。2階右側は寝室。扉をつけずオープンに。玄関やダイニングの壁の棚は、お気に入りの器、旅先で拾った小石など、夫婦の人生の“思い出”がさりげなく飾られている。198

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