雑誌「チルチンびと」72号掲載 東京都 ㈱大丸建設
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上2 点/ 60 年以上経っているとは思えな
い、桐箪笥の引手と繊細な彫りの座金。
中2 点/ 1 階の和室に置いてある、同じく
古い家から持ってきたケヤキの卓子。何十
年も経った今も、天板の木目が美しい。
下/古い家の名残を留めようと、床下換気
口の枠を玄関のポーチに埋めた。
建築中、現場近くに仮住まいをし
ていたOさん一家。「昔ながらの大
工仕事を見ることができて楽しかっ
た」とご主人は話す。大工が鉋で材
木をけずり、実際につくりあげる工
程を見たことによって安心と信頼が
生まれたという。
「住み始めてつくづく思うのは木が
温かいな、ということ。遊びに来た
孫も家中走り回ってますよ」とうれ
しそうに話す夫妻。思い出の宿る家
具もぬくもりを添え、新居はこれま
で以上に住み継げる家になった。
屋根形状を生かしたのびやかな2
階和室。古い家から持ってきた桐
の箪笥がぴったり入るように設計
されている。廊下の天井裏も収納
になっている。
リビングから見たキッチン。ダイニングセットも30 年前から大切に使って
いるもの。
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