雑誌「チルチンびと」72号掲載 東京都 ㈱大丸建設
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心に、自然素材を使い、伝統構法に も秀でた大工が木の家をつくる工務 店だ。「代々住み継げる家づくりと、 建てた後の付き合いを大事にするこ とがうちのモットー」と話す同社の 安田佳正さん。取材にうかがった日 も、Oさんと住み心地などについて 話し合っていた。 ていねいな仕事で温かい時間を  田中さんは、今回が初めての同社 との仕事だったが「新建材を使わず、 徹底したシックハウス対策をする 『チルチンびと仕様の家』を建てて いる大丸建設。そのノウハウと、高 い技術力は大変頼もしかった」と語 る。O邸の敷地は準防火地域。通常 木造建築では、延焼防止対策として 軒裏に遮熱性のある珪酸カルシウム 板などを張り、木を現しにした庇は 少ない。しかしO邸では、軒裏に 30 ミリ厚の野地板や、 45 ミリ厚の面戸 板を使用するなどし、木造での防火 構造の基準をクリア。玄関扉もスチ ール製に木を張り防火設備仕様とし、 各所で木の質感をしっかりと感じら れるつくりだ。これも、木を見せた いという双方の思いの表れであろう。 ジャズを聴きながら仲睦まじく談笑中 の夫妻。床、建具の木目がシンプルな 室内のさりげないアクセントに。 左/家族室とつながる和室。来客の際の音漏れも考え、建具は襖ではなく遮音性の高い木の引戸にした。 中央/こちらも杉の木目が印象的なキッチン。 奥さんが希望したコの字型になっている作業台はスペースも十分。 右/和室から見たリビング。やわらかい光が入り、木の空間にぬくもりをもたらす。 141  

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