雑誌「チルチンびと」57号掲載 東京都 ㈱大丸建設
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と眺めてます」(ご主人)  樹齢80年以上と推定されるこの梁を含め、構造材には紀州の山長商店の杉が使われている。土台は檜。床も杉材で、やわらかな感触はじかに寝そべると気持ちがいい。壁は玄関と1階の和室のリビングが土壁、それ以外は漆喰系のタナクリーム。いずれも調湿性能にすぐれた自然素材なので、雨の日も空気はカラリとして、洗濯物がすぐ乾くのも助かると奥さまは微笑む。  新居の完成から約半年。休みの日、夫妻はダイニングでくつろいで過ごすが、あちこちに開口部があるため、日中は明るく風通しも上々だ。  これからしたいことをうかがったら、ご主人がぐっと身を乗り出した。 「結婚式で、家を建てたいと宣言したのがこんなに早く実現して。もう僕の人生でやることはないかと不安になった(笑)。でも、最近、日曜大工で本棚をつくるとか野菜を育てるとか、また意欲が湧いてきました」  では、奥さまはどうか。集合住宅にいた頃は、家事を済ませてから実家へ行くことが多かったようだが……。 「今は一人でここにいます(笑)。というより、ずっといたい。ほんとに居心地がいいんですよ、この家」

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