雑誌「チルチンびと」107号掲載 東京都 ㈱大丸建設
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1261 外壁の板幅に合わせた障子の格子。 2 珪藻土の壁は角をRにしてやわらかく光と風を回す。 3 廊下には手すり代わりに本棚を。 4 2階寝室。てくださいということになりました」と同社の安田佳正さん。 構造材には紀州の㈱山長商店の杉材を使用。外壁の杉板には㈲小川耕太郎∞百合子社の天然由来のウッドロングエコを塗布し、経年変化も楽しめるように。素材と建物自体の性能をできるだけ高めるため、壁の断熱には室内の湿度を調整し気密性を確保する調湿気密シートで断熱材をしっかりとラッピングする工法を選択。冷暖房には水を循環させ、自然な温度調整をもたらす除湿型放射冷暖房を取り入れ、空気がうまく家中を循環するよう地形に沿う開口や吹き抜けを設けた。 およそ半年の施工を経て、自然素材を扱う高い技術力と設計力により住まいが完成。「工事中、大工さんもすごくていねいに仕事されていたし、建築って面白いなと見させていただいていました」とご主人。奥さんは「信頼できる建築家と工務店さんに出会えて、思った以上の家になりました。できるだけ長く農業を続けたいという希望が叶いそうです。家の機能を体感できる初めての冬も楽しみですね」と微笑む。光と風を取り込む工夫をちりばめて1342

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