チルチンびと 100号掲載 東京都 注文住宅 大丸建設
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土地が決まり、工務店探しに歩く中、 とある工務店のモデルハウスで木材を ふんだんに用いた建築家の田中敏溥さ んが設計した家に見惚れた。「家の中 の空気が外と変わらないような清々し さで気持ちいい家でした」。  ただ、その工務店での施工は予算面 などで決めかねる要素があり、奥さん は建築士の夫を持つ妹に相談。木の家 や予算面などまるごと話せる相手とし て浮かび上がったのが建築家の木 き 下 した 治 はる 仁 ひと さんだった。  もともと妹さんのご主人と木下さん が友人で、さらには夫妻が惚れ込んだ モデルハウスを設計した田中敏溥さん が木下さんの師匠、その家の設計に木 下さんも携わっていた。「これは木下 さんに頼むのが運命だなと思いました。 『よし、決めた』そういう感じでした ね」(奥さん)。「モデルハウスに似た 無垢の木の家が建てられる」と、夫妻 は即決した。木が好きな 建主に合わせて選んだ 地元の大丸建設  ご主人の家に対する思いの中で大き な位置を占めていたのは「車」だった。 「家というよりも、家の近くに駐車ス ペースが欲しかったんです。家は小屋 でよかったぐらい」。情感を込めてご 主人は語る。家への要望はシンプル。仕事用も含 めて3台の車が駐車できること、無垢 材で建てること、雑木林のような自然 を感じられる庭、この三つだった。「木 が好きだということや梁を見せること、 軒の深い家というイメージ」から、T さんの家づくりには地元の大丸建設が 合うと木下さんは考えた。  こうして出来上がったT邸は、1階 をほぼリビング・ダイニングに。当初 ガレージと一体になった家も考えてい たが土地の建蔽率が 40 %で制限が大き いことからガレージは分けることにし た。しかし、外と内の境目がないかの ように、大人も子どもも気軽に外へ出 て気持ちよさそうにしている。収納や 家事動線についても、 「設計してもら った家は住み心地や使い勝手がすごく いいんだなと思いました」と奥さん。 そんな風な話をしていると、子どもた ちは元気に遊びに出かけていった。

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