雑誌「チルチンびと」87号掲載 千葉県 ㈱グッドリビング どんぐりの家
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186キッチンに立つと、家全体を見渡せる。ダイニングテーブルはインドネシアの古い家具をリペアしたもの。ひ千葉の木で家を建てたいと思いました」と話す夫妻。「私たちが求めていたのは、最新の設備ではなく、使われる素材やその背景にある物語だったんだと、改めて実感しました」。 当初提案されたプランがIさんの希望に近かったこともあり、そのシンプルな間取りをベースに、オープンな収納やご主人の趣味の観賞魚の水槽の位置、さらにたくさんある本やCDの置き場所の確保など詳細なリクエストを加えていったとのこと。「プランを相談するうちに、私たちは4LDKといったような部屋数ではなく、空間があればいいんだなということが再確認できました」(奥さん)。 建築中には、第1回の千葉の木の伐採見学ツアーに家族全員で参加。「現場を見せていただいたので、自分の家の木がどこから来てどのように材木になるのかがわかりました。それを子どもたちにも見せられたのがよかったですね」(ご主人)。農学部出身だという奥さんも「国産材で家が建てられることは知っていましたが、千葉の木で家が建てられるとは思っていませんでした。本当の地産地消ってこういうことですね」と話す。 Iさん一家が千葉の木で建てた家に暮らし始めて1年。「子どもたちもお友だちを呼んだり、庭で遊んだり、以前よりものびのびと楽しそうです」と微笑む夫妻。その笑顔が、思いを叶えた住まいでの心地よい暮らしを物語っていた。家族でツアーに参加し家への思いがふくらむ上/ダイニングとキッチンの開口部の先には、庭へと続くウッドデッキが設けられている。下/キッチンは奥さんの希望で、回遊性のある動線で使いやすく設計。アフリカ在住経験のある夫妻のコレクションが住まい各所を彩る。ユーモラスな木彫りはフクロウがモチーフ(左)。

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