雑誌「チルチンびと」74号掲載 千葉県 ㈱どんぐりの家イニシア(㈱グッドリビング)
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 真新しい家々が建つ、住宅街の 一画にあるK 邸。一見平屋を思 わせる、なだらかな傾斜の屋根が 特徴的だ。周囲の家とは違い、ガ レージや外壁に木がふんだんに使 われており、素材の温かみが感じ られる。  大谷石が張られた落ち着きのあ る玄関を上がると、おだやかな外 見とはうらはらな、大胆に吉野杉 の丸太柱が鎮座する吹き抜けの LDK。通り抜ける風とともに、 清々しい木の香りが。「風通しが とってもいいんですよ」と迎えて くれるのは奥さんだ。  以前住んでいた家は、自宅で仕 事をしていたこともあり、4人家 族にしては部屋数が少なく、子供 室は二人で8畳一間の狭い家だっ た。たまたま近くに少し広い土地 が出たので、家を建てることに踏 み切った。  夫妻の希望は、エアコンなどの 機械設備を使わずにすむように風 通しがいいことと、どこにいても 家族の気配がわかる家。  その希望を叶えたのは、㈱どん ぐりの家イニシア(㈱グッドリビ ング)。同社は平成4年に創業以 来、木材や昔ながらのニカワの接 着剤など、生産者と中身が明らか な材料を使い、一貫して安心して 暮らせる家づくりをしてきた工務 店だ。  この家の特徴は、徹底して吟味 された国産木材を使っていること、 そして通気設計。天井の傾斜に沿 って空気が動き、2階の通気窓か ら抜け、家中に風を通す。吹き抜 けにすれば、天井をより高く有効 的に使えるだけでなく、家族の声 や気配も感じられる。  さらに壁には自然素材由来のセ ルロースと 25 ミリ厚の珪酸カルシ ウム板の断熱材を二重に入れ、夏 の暑さは室内へ入れず、冬の暖気 は逃さないつくりに。そして温度 が均一になるよう、各所にシーリ ングファンをつけた。  薪ストーブは、エアコンをつけ 風と家族の気配が 通り抜ける家 エアコンをつけたくないというご主人と、 家族の気配がわかる家を望む奥さん。 ㈱どんぐりの家イニシア(㈱グッドリビング)がつくった、 夫妻の希望を叶える家とは。 写真=相原 功 千葉県 ㈱どんぐりの家イニシア     (㈱グッドリビング) チルチンびと「地域主義工務店」の会 薪ストーブの前でくつろぐK夫妻。ストーブの炉台と炉壁は大谷石張り。 右/明かり取りの光が出迎え てくれる玄関。 下/庭から 見たK邸。杉板がふんだんに 張られ、温かみのある外観。 200  

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