雑誌「チルチンびと」91号掲載 埼玉県 ㈱鈴木工務店
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174南の庭から見た外観。庭づくりはこれからだが、サッカーをする長男が練習できるよう芝生を貼る予定。写真=川辺明伸 文=角丸泰子男の子二人を育てながら、我が家への思いを募らせた若い夫妻。気持ちの通じ合う建築家、工務店と出会ってつくり上げた新居にはにぎやかな笑い声が絶えない。家族がのびのび暮らす開放感あふれる平屋の家栃木県  鈴木工務店 井上邸空間のつながった平屋で 親子が一緒に過ごしたい 南側の大きな開口部を通して明るい陽光があふれる、井上さん一家の住まい。「冬も晴れていると日差しが暖かく快適です」と夫妻がほほ笑む。家づくりに着手したのは、4年前。幸手市には奥さんの実家があり、両親の勧めで畑として使っていた土地に建てることに。では、どんな家に? 家族がいつもそばにいて互いの気配を感じながら、ゆったりした気分で暮らしたい。それには平屋がいいのでは……子育て真っ最中の夫妻は、そんな夢を膨らませていく。インターネットで検索したところ、宇都宮市に拠点を置く建築家・長谷川拓也さんを見つけた。「長谷川さんの住宅は平屋が多いんですが、とてもセンスがよく、心を奪われました」と奥さんが声を弾ませる。 さっそく設計を依頼するとともに、施工は同じく宇都宮市の鈴木工務店でと決めた。同社は140年余の歴史をもつ地域の工務店だ。長い経験で培われた大工の技を守るかたわら、自然と共生する住まいを手がける取り組みも積極的に行っている。長谷川さんとのコラボレーションにより、2年前、栃木県南部の上三川町に展示場「互ご生せいの家」がオープン。夫妻も出向き、地元産の自然素材をふんだんに用いたシンプル玄関。焼き杉を鎧張りにした外壁は、深みのある黒が独特の表情。

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