雑誌「チルチンびと」99号掲載 埼玉県 ㈲井上建築工業
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136「島村さん夫妻と話して、農業や里山暮らしへの関心とともに、当社の家づくりへの共感を感じました」と当時を振り返る。 設計にあたって夫妻が望んだのは、薪ストーブや土間キッチンなど、会社勤めをしながらの半農生活が無理なく営めること。設計を担当したDen設計室の新田浩司さんは「私自身、設計の傍ら農業に携わっているので、島村さんのライフスタイルに沿う設計を心がけました」と話す。こうして出来上がったプランは、家族団欒の場となる広いLDKを中心に、外との行き来や家事動線に配慮したものとなった。 リビングの吹き抜けにかかる見事な丸太梁は、古民家に憧れていたというあかねさんの願いを叶えたもの。井上社長は「土地にゆとりがあったので、大空間で架構を現しにすることができました。材はすべて手刻みです」と胸を張る。 島村さん一家が、この家に暮らして2年が経つ。「子どもたちが思いっきり遊べるようになったのが嬉しい。外で虫をとったり、家の中でも走り回っています」という夫妻の言葉が、充実した暮らしを物語っていた。1231 玄関からリビングを見る。「階段は完成見学会で見たものが素敵だったので、同じようにつくってもらいました」(あかねさん)。 2 ・3家族で食卓を囲む。土間キッチンは料理しながらリビングの子どもたちと話ができる。樹齢400年ほどの天板は井上社長が見つけたもの。 4 2階のフリースペース。 5 キッチンの西側には水まわりをまとめた。 6 土間キッチンは水まわりへの通路にもなっている。 7・8・9 冬は毎日薪ストーブを使う。薪小屋は輝太郎さんがつくった。 10 南東側外観。

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