雑誌「チルチンびと」92号掲載 埼玉県 ㈱千葉工務店
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165に腰を下ろし、穏やかに語るご主人。キッチンの中では、奥さんが手動ミルでコーヒー豆を挽きながら、控えめに頷く。 T邸は埼玉県ののどかな田畑が広がる土地に建っている。閑静で自然豊かな場所だ。夫妻はもともと東京に暮らしていたが、アウトドアが共通の趣味ということもあり、田舎暮らしに憧れて家づくりを決めた。この場所は数年かけて見つけ出したそう。駅から何分といった利便性ではなく、むしろそのような快適さから離れて、地に足をつけ、落ち着いた日々を送りたいという思いが強かった。 この土地と出会うより先に、夫妻は理想的な工務店とめぐり合った。薪ストーブ専門店の「ファイヤーワールド」代表・富井忠則さんから紹介を受け、埼玉県越谷市に拠点を置く千葉工務店を知ったのだ。 同社は「合板ゼロ・外材ゼロ」を掲げ、自然素材の家づくりを20年以上貫き続けている工務店。宮城県での栗駒伐採ツアーに参加した際、夫妻は自分たちの求める家をつくるのに欠かせないと確信した。素材選びに対する1玄関から入るとすぐに土間キッチンへとつながる。一段下げてあるので、カウンターに座る人と目線が合う。 2栗駒杉の梁と大黒柱が存在感を放つリビング。寝食はすべてこの空間でこと足りる。 3気分転換にもなるボルダリングの壁は、夫妻たっての希望から。石の位置は自由に変えられるようつくってある。23

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