雑誌「チルチンびと」89号掲載 群馬県 ㈱オオガネホーム
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245 「晴れた日には、リビングから見える赤城山が見事で。子どもの頃、夕焼けで赤く染まるから赤城山というのかな、と思っていましたね」とデッキで景色を眺めながらご主人が話す。この日の昼食はデッキが舞台。ジャガイモやタマネギにレタスなど、菜園で育てた野菜のサンドイッチに、手づくりジャムが並んだ。のどかな景色の中、外で食事をするだけで少し特別な一日になる。 Iさんの住まいがあるのは周囲に畑が多く残る緑豊かな土地。ここに夫婦二人で暮らすコンパクトな平屋を築いた。間取りはLDKを、和室と寝室で挟んだシンプルなプラン。仕切りになる戸はあるものの、ワンルームのようにも使える。使っている材は地元・群馬の木が9割以上。一歩足を踏み入れれば香り・力強さ・色のやわらかさを五感で感じとることができる。つくり手の顔が見える家づくり 定年を機に、長年住んだ横浜に留まるか、地元・群馬に帰るか迷っていた夫妻。昔からスキーや山登りが好きな二人は、40年以上温めてきたログハウスと薪ストーブへの憧れを実現すべく、ご主人の実家近くで家づくりを検討した。 当初は全国的に有名なログハウスメーカーを検討していた。しかしつくり手の見えない家づくりに違和感を覚え、「これでは納得のいく家づくりができない」と中断。そんな折、手元にあった『チルチンびと』を開き、地域主義工務店の会員社に心惹かれるように。「やはり、地域の職人と材料で建てたいという気持ちが捨てきれなかったんでしょうね」と夫妻は口を揃える。 そして群馬県の会員社の中でも、美しく磨かれた丸太を生かしたオオガネホームの家に惹かれ、事務所を訪問。重量感のある事務所の佇まいに心を奪われた。さらに、地元材を熟知した地域の職人が手がけている点にも安心。同社との家づくりが始まった。畑や薪がご近所さんとの 距離を近づけてくれる 同社の建主は、Iさんのように定年後地元に帰ってくる方も増えているという。「こうした場合は歳を重ねても楽に暮らしが営左/キッチン。カウンターや棚は大工の造作。 右/器集めが趣味の奥さん。思い出の品を飾るニッチを施工中に急遽設けてもらったそう。 のびやかな構造材を見ると大らかな気持ちに。奥は寝室。

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