雑誌「チルチンびと」86号掲載 群馬県 ㈱オオガネホーム
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「火を見ることの何がそんなにいいんだろう?―正直、最初はそう思っていました。でも今では時間を忘れて魅入ってしまうんです」とご主人。ストーブの前で無邪気に遊ぶ、まだ小さなお嬢さんを見つめながらにこやかに話す。 田畑が混在するのどかな住宅地。南北におおらかに大屋根が架かった住まいが金子邸だ。 リビングに入るとのびやかな吹き抜け、そして大黒柱の放つ頼もしい存在感に圧倒される。1階のLDKを中心に全体は間仕切りのないゆったりした間取りで、決して気取らず、素朴なぬくもりがいっそう気持ちを暖かくしてくれる。 以前はアパートに住んでいた金子さん夫婦。のびのびと子育てができる環境を求めて、新築することに。思い描いたのはストーブを中心に家族で過ごせる、木をふんだんに使った家だった。 設計施工を担当したのは沼田市に本社を置くオオガネホームだ。「いくつか工務店を検討しましたが、木の美しさをそのまま構造に生かしているのはオオガネさんだなと。それに薪ストーブが得意という評判もあって」と奥さん。同社では「百年躯体」を家づくりのテーマに掲げ、材料の持ち味を生かした、長く住み続けられる自然素材の家を手がけている。 「当社が貫いているのは、家族の和を育むおおらかな家。吹き抜けでのびのびと家の中で過ごせるとともに、薪ストーブの暖気を家中に届けます」と同社の大おおがねよしのぶ金義延さん。火のある暮らしの良さを広めたいと、定期的に薪ストーブのイベントも開催している(134ページ)。その根っこには、薪を割ったり料理をつくったりすることで家族それぞれが役割を担い、信頼関係を築くことができ南側の開口部には障子を入れて、日差しをやわらかく。暖かな雰囲気をいっそう盛り上げているのは、ギャッベのカーペット。和室からリビングを見る。障子のデザインを連続させているので一体感がある。火のある暮らしは信頼できる工務店と

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