雑誌「チルチンびと」90号掲載 群馬県 松浪建設㈱
1/4

230たっぷりとストックされた薪。薪棚のデザインも建物外観と揃えている。写真=川辺明伸 文=角丸泰子太田市の一角に建つモデルハウスは木のやさしい表情に心が和む。手がけたのは、とことん自然素材にこだわる地域の工務店。開放感あふれる空間で家族がくつろぐ……。そんな暮らしを提案している。思わず深呼吸したくなるきれいな空気が流れる家群馬県  松浪建設 モデルハウス棟数は少なくとも 「よい家」をつくる 2015年秋に完成した松浪建設のモデルハウスはやわらかな木の香りに包まれ、和の趣を感じさせる住まいだ。太田市に本社をもつ同社は、建築棟数を増やすより「よい家」をつくることに重点を置く工務店。松浪正博社長は、次のように話す。 「産地の明らかな素材を使い、つくり手の顔が見える。本来あるべき『よい家』とは、こうして生まれるものだというのが私たちの考えです。このモデルハウスでもそれをめざしたのはいうまでもありません」。 さっそく中へ。1階の中心は、薪ストーブのある家族室。食堂、台所、それに隣の和室も襖を開けると一体として使える、のびやかな空間だ。道路に面した東側の大きな開口部は建具がフルオープンになり、晴れた日は朝の光が室内にあふれる。すくすくと伸びるアオハダやアオダモなどの木々をデッキ越しに見上げると、なんともいえず気持ちがいい。ここは吹き抜けを介して2階ともひとつながり。同社では、小さくてもいいから吹き抜けは設けたほうがいいとお客さまに伝えるという。空気が循環したり上と下とで会話を交わしたりできるばかりか意匠としても魅力があるから、と。 一方、階段の裏側には洗面室を配している。動きやすいようゆったりしたつくりで、

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る