ベニシアと正 2 -青春、インド、そして今-
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採した木を40㎝ほどの長さに玉切りにしたあと薪割りをして、1〜2年間乾燥させて使うとよく燃える。僕の場合、いつも間に合わず、切ったばかりの生木を乾いた薪と混ぜて燃やしていた。生木だと温度が上がらずススも溜まりやすい。なので今年は冬のうちに2シーズン分ぐらいの薪を切って貯めておきたい。  近所のカシの大木が4〜5年ほど前の台風で倒れ、斜面に放置されたままになっていた。地主さんに尋ねると「どんどん切って持っていってくれ」と言う。そのカシの幹を幾カ所かに分けて切ってみた。断面を見ると、倒れた幹の天側は乾いているが、反対の地面側は湿って腐っている。残念ながら薪には使えない。  薪に向いた広葉樹はないだろうか?山仕事をしている友人に電話で聞くと、広葉樹の伐採仕事は葉が落ちた後の11月中旬頃からだという。僕が暮らす大原周辺の森はほとんど杉か檜の植 林地だ。去年の台風で倒れた杉と檜がそこらじゅうに転がっているという返事。杉はよく燃えるが火持ちが悪いので薪としてのランクは低い。ランクが高いクヌギ、ナラ、サクラなどの広葉樹はそのうち……。とりあえず杉と檜を集めよう。愛用の薪割り斧は、28年前にベニシアと結婚したとき、友人から結婚祝いのプレゼントでもらった日本製(木製の柄で長さ89・5㎝、全体 重量2・1㎏)をずっと愛用している。とはいえ、もう少し重い斧が欲しい。調べてみると、スウェーデン製のグレンスフォシュブルークは燻し銀の渋さ。とはいえ一本一本が職人による手

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