ベニシアと正 2 -青春、インド、そして今-
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魔女とティータイム  母の三度目の結婚相手で、妹、ジュリエットの実父であるダドリーは、私が大好きな歌を続けていくよう応援してくれた。彼は我が家の子供たち全員に、各自の才能を活かして、やりたい ことをやって生きていくよう励ましてくれた。実父が亡くなってから、私と弟のチャールズはダドリーの家によく遊びに行くようになった。「これからは、僕が君たちのお父さんだからね」と言ってくれたからだ。  ダドリーに「一緒に暮らせなくなった」と告げられた日のことは忘れられない。母がジョン・ロバーツという別の男性と恋に落ちたのだ。母はどうしてまた離婚するのだろうと、私は呆然とした。私たちを実の子供のように愛してくれたとても素敵なお父さん、ダドリーを母は見捨てたのだ。「もう会えなくなる」と思って泣き始めた私をダドリーは抱きしめて、「いつでも遊びに来ていいから」と言ってくれた。  新しい結婚相手のジョンと、その間に生まれた子供たちとジャージー島で暮らしていた母は、学校の休暇中はどこでも好きなところで過ごしていいと言っていた。そこで私たちは「Dおじ さん」ことダドリーの家に行くのだった。とにかく楽しい人で、スキー、乗馬、セーリングも教えてくれた。何度か船で南フランスまで冒険旅行もした。  ヒースフィールド卒業後の何年かは、スイート・ドリームを結成した同級生ふたりとダドリーの暮らすマン島を何度も訪ねた。ダドリーはモナコにいたジーンと結婚し、マン島で最大の街、ダグラスで、大きな舞踏場がある

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