住宅雑誌「チルチンびと」94号 -太陽エネルギー住宅と薪ストーブ・風土に生きる越前・福井の人びと-
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12図案家「ウィギーカンパニー」主宰 黒田美恵さん1アイデアソースを書き溜めておくノート。 2着物の柄の取り合わせが図案の参考になることもしばしば。3インテリアの人形にもウィギーカンパニーの世界観があふれる。 4古本屋を巡って、古書を集めるのも仕事の合間の楽しみの一つ。5これまでつくったイベントのチラシ、展覧会の案内状などがさりげなく壁に。6自宅アトリエにて。包装紙はふんわりした和紙を使っている。アトリエ名の由来は大好きな映画「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」より。(文=中森あかね)福井で生まれ、アトリエを構える黒田美恵さん。彼女が図案を手掛けた手ぬぐい、包装紙、かるた、ポーチはどれも色がビビッド。柄はモダンでシュールな不思議さが漂う。 日本文化が大好き。「着物の銘仙など昔の日本人の大胆な色と形の取り合わせに心底惚れ込み」影響を受けた。「最近は『万葉集』に魅せられて、和歌を図案のモチーフにすることに夢中」。地元はもちろん、関西・関東で展覧会を開催。黒田さんの新しい色で刷られた万葉人の心が、現代の女性たちに伝わってゆく。 「私は図案家。デザインを〝図案〟と呼んでいた明治時代のニュアンスが好きです。その時代の和紙の手触りや風合いまでもが言葉に含まれるようで。そこが〝イラストレーター〟〝デザイナー〟と違うと感じています。越前和紙を使うことも多く、紙に恵まれた福井に居るのは幸運」。 日本人特有の色や柄の感覚を形にしたい。幾何学模様やアールデコにも惹かれる。「日日勉強ですね」。162345ウィギーカンパニー tumblr→ウィギーカンパニー古今東西に着想を得たポップでレトロな乙女の世界福井市写真=西川公朗

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