雑誌「チルチンびと」93号掲載 のんびり付き合う、小さな庭「栗田信三さんに教わる花の庭づくり」
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789101213141511 住宅地に突然現れた、草花の群れ。ふんわりとハーブや山野草が生い茂り、どこかほっと心が安らぐ花の庭です。ここは作庭家・栗田信三さんが昨年春に建てた新居。間口7×奥行き18メートルという細長い敷地で、庭は駐車場込みで約15坪、そして土を入れた草花を植える部分は約7坪。決して広くはありませんが、100種にのぼる草花が生い茂ります。 自身の庭のスタイルを「花と雑木の、のんびりとした庭」と語る栗田さん。「和の庭は、何百年もかけて、そのスタイル・美意識がつくりあげられたもの。僕はその型ができる前の、原初的な雰囲気の庭に惹かれるんです」。そう語る庭の雰囲気は、和にも洋にも偏らないもの。「料理屋と違って、家の庭はほっとできることが大事。あまりスタイルを決め込まないほうがいいんです」。 これまで700近い庭を手がけてきた栗田さんですが、住まい手の目線で植物と付き合うのは初めて。あらためてわかったことは、「決して造園家や植木屋任せにしないこと」。神経質にならなくてもよいけれど、無理のないペースで日々面倒を見ることが大事だと言います。また、栗田さんが手がける庭の7割は小ぶりな庭。コンパクトでものんびり付き合える花の庭の秘訣を紹介します。1アプローチにはバコパや紫蘭など和洋の花が混じり合う。 2奥行きのある敷地を草花で彩る。ささやかだが常に何かしらの花が咲く。 3アサガオ棚の前のヤグルマソウ。 4カワラナデシコ。* 5トリアシショウマ。 6小さな庭だからこそ、日陰や半日陰など環境はさまざま。 7白と青の花が好みという栗田さん。 8・10アトリエのはめ殺し窓からの眺め。ミツバツツジが左官壁に映える。 9色鮮やかなカナダオダマキ。* 11玄関からアトリエを見る。 12敷地西角のイボタ。* 13引き込まれるようなアプローチ。 14半日陰に咲くラミウム。 15東側外観。75

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