住宅雑誌「チルチンびと」89号 小さな畑のある家
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1313日本人が大切にしてきた暮らし比叡山の麓にある「麦の家」。戦後まもなく、故・松井浄蓮翁が支援者らと開墾したこの地では、後継者の山崎隆さん 一 家が米や野菜をつくり、蚕を育てて紬を織り、衣食住すべてに自給自足を旨とした生活を営んでいる。そしてまたここは、老若男女が折々に集い、農や生き方を考える、「学び合い」の場でもある。麦の家の畑では、三世代八人家族の食事を賄うのに必要な野菜を育てている。それぞれの野菜に割り当てられた面積はささやかなものだ。小さな畑がもたらす豊かさ、心の平穏。日本人が大切にしてきた暮らしがここにある。写真=輿水 進、野寺治孝(*印)小さな畑のある家麦の家

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