住宅雑誌「チルチンびと」71号 -ずっと、居たくなる家-
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「田中さんは、ものづくりの精神を大切にする方。当社の職人とフラットに付き合い、一緒に家づくりをする。自分たちも家具職人だったので、その姿勢に共感しました」と善典さん。「地域主義工務店」の会で知り合い、田中さんが村上出身と聞いて意気投合。2008年には自社のモデルハウスで初めて仕事をともにした。自邸を建てるにあたっても、この縁を大切にしたいと田中さんに依頼したのである。  善典さんは、田中さんの言う“仲よく”は、住む人にはっきり実感できると語る。「田中さんの家のよさって、言葉にしづらいのです。でも、モデルハウスを見た人は皆同じく『なんだか幸せな暮らしができそう』と感想を言います。これが、田中さんの言う“仲よく”ってことなんじゃないかな」 風景と家の佇まい、内と外、部屋と部屋、天井と壁……。違うものが出会うところを“仲よく”していくことで、家全体がやさしくつながる。 田中さんの家に感じる「なんだか幸せ」という感覚は、こうしてていねいに紡がれた設計が生むのではないだろうか。

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