チルチンびと116号「夏の家」
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三世帯共用の 客間スペース  六本木や東京タワーにほど近い港 区麻布界隈は、高級住宅地の多い 「麻布エリア」にありながら、古く から庶民的な商店街が栄える下町情 緒豊かな町として知られる。建築家、 黒田幸弘さんの住まいは、そんな商 店街の一角に 10 年ほど前に建てられ た5階建ての三世帯住宅だ。「大正 時代創業のレコード店を経営してい た父が高齢で店を閉じたのを機に、 店舗兼住居だった古い建物を建て替 えて両親と兄、私たち家族が一緒に 住めるようにしました」と黒田さん。 1階が貸店舗と黒田さんの事務所、 2階がご両親、3階がお兄さん、4 階が黒田さんご家族の住居となって いる。今回ご紹介するのは、5階に 設けられた三世帯共用の客間だ。「各 階の面積が限られているため、住居 とは別に共用スペースがあると便利 だと思いました。建物の意匠はモダ ンなものにしたのですが、どこかに 和の精神を取り入れたいと思い、共 用の客間を畳敷きにするアイデアが 生まれました」(黒田さん)

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