住宅雑誌『チルチンびと』105号 -緑と暮らす-
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139 母親の影響で幼い頃から編み物や刺繍に興味があり、なかでも帽子やアクセサリーが好きだったという奥さん。「短大で服飾を学び、書店員として働いていたのですが、そのかたわら、個人で『marimo books』という屋号で、手づくり市などに出店していました。そこで古本と一緒に編み物も出品するようになったのがはじまりです」と奥さん。ブランド名「marimo yarn」の由来は、この「marimo books」の名前と、「紡ぐ」を意味するyarnを合わせたもの。 「marimo yarn」では、ニットを使った帽子や小物、天然素材の笹和紙糸を使用した帽子を中心に制作している。手編みでていねいに仕上げられた帽子はシンプルで洗練されたデザインであると同時に、機能面も充実している。「笹和紙という素材は、発色がとてもよく、やわらかい上に丈夫なんです。さらには抗菌作用やUVカット効果など原料であるクマザサに本来備わっている機能もあるので、素材として抜群です」(奥さん)。 制作は、instagram(@marimoyarn)からオーダーを受け付けている。「手編みで一つひとつていねいに仕上げたいので、負担のない範囲で受注し、制作しています。編み物は場所を選ばず作業ができるので、家事の合間を縫って、家のあちこちで編めるのがよいところです」(奥さん)。「編み続けていると、心身ともにリラックスできるんです」(奥さん)。色彩豊かなチロリアンテープをはじめ、さまざまな材料が並ぶ小物ケース。寝室の一角にある材料コーナー。ウール類は衣装ケースに入れて保管している。アンティークの焼き菓子型を小物入れとして活用している。

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