住宅雑誌『チルチンびと』102号 -薪ストーブのやすらぎ・裸足と健康と木の家-
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28〝 1/f ゆらぎ〟とは 風や小川のせせらぎや潮騒や薪ストーブの炎を見ていると、なぜか心が穏やかになる。自然の風は風速の変化や物を揺らすことで、私たちは肌で感じたり見たりすることができる。一見すると無造作に吹いているように見える自然の風も、風速や風の音の変動の中にどのような周波数をもった成分が、どのくらいの割合で含まれているかを解析してみると、その奥に法則性があることがわかる。ゆったりした変動(周波数が小さい)は変動の幅が大きく、せわしい変動(周波数が大きい)は変動の幅が小さいというパターンの〝 1/f (エフぶんのいち)ゆらぎ〟が存在している。すなわち〝 1/f ゆらぎ〟とは、パワースペクトルが周波数 f に反比例する揺らぎのことであるが、自然の中ではろうそくの炎の揺れ方、海岸に打ち寄せる波、小川のせせらぎの音、さらに人の心拍の間隔の中にも発見されている。 松下電器産業在社時に、私たちは〝 1/f ゆらぎ〟の気泡を持つ〝あわ太郎〟という湯冷めがしにくい風呂を製作した。また冬の縁側で太陽が出ている時はぽかぽかと温かく、雲が覆うと涼しくなる日向ぼっこをするような〝こたつぼっこ〟という〝 1/f ゆらぎ〟のこたつも製作した。衛星放送で宣伝した時、最初に〝 1/f ゆらぎのこたつ〟の音楽が流された。〝 1/fゆらぎ〟の音 私たちの研究会は絵画や風のパターンから抽出したデータに基づき、 〝 1/f ゆらぎ〟の音楽「GAIA」「風のオアシス」というCDを製作した。1990年に大阪で開催された「花と緑の博覧会」では、「松下館」の中で〝 1/f ゆらぎ〟の音楽「GAIA」炎と音楽と1/fゆらぎ文=刈本博保( 1/f ゆらぎ研究会代表幹事)薪ストーブのやすらぎ特集

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