雑誌「チルチンびと」79号掲載 京都大原の山里に暮らし始めて 梶山正
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京都大原の山里に暮らし始めて17僕は1996年に、イギリス人の妻・ベニシアと息子の悠ゆう仁じんと3人で、京都大原の山里に引っ越してきました。暮らしながらの民家改修や、ここで経験したこと、考えさせられたことなどを綴っていきます。上/4月に京都北山の森を歩くと馬酔木(あせび)の花によく出会う。名が示すように、馬が食べれば酔ったようにふらつくと言われる有毒植物。万葉植物の一つでもある。 下/大原を流れる高野川では、仲がいいつがいの鴨をよく見かける。 左ページ/白銀草(しろかねそう)。隣の滋賀県の山の落葉樹林の林床で出会い、ニリンソウかな? と思って何気なく撮影した。あとで、図鑑などでよく調べてみるとツルシロカネソウであった。白い花に見える部分は萼(がく)で、黄色い点の部分が花弁であるとか。六つの都道府県が絶滅危惧種などに指定している貴重な植物でもあった。写真と文 梶山 正かじやま・ただし/1959年長崎県生まれ。写真家。山岳写真など、自然の風景を主なテーマに撮影している。登山ガイドブックほか共著多数。84年のヒマラヤ登山の後、自分の生き方を探すためにインドを放浪し、帰国後まもなく、本格的なインド料理レストラン「DiDi」を京都で始める。妻でハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさんとはレストランのお客として知り合い、92年に結婚した。6

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