住宅雑誌「チルチンびと」66号掲載 設計 吉住 慶男
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いLDKで楽しい昼食が始まった。  人に、土に、感謝の念を 哲也さんの独立を機に、家づくりを考えた夫妻。自宅兼仕事場を思い描いた時、最初に湧き上がったイメージが、「土塊」だった。焼き物づくりを生業とする者にとって、土は血であり肉であり、何より身近な存在である。土を生かした家を求めたのは自然なことといえる。かねてより、その家づくりに憧れていた吉住さんに相談すると、土壁を自力施工したい旨の了解も得られた。   そうして、延べ140人以上が参加したワークショップを開催。竹小舞を編み、荒壁を塗った。外壁の左官仕上げの一部は哲也さんがこつこつと行い、V体工事が終わってから1年半後に塗り終えた。ワークショップに参加した面々を招いた「オータニランド」のお披露目会には、50人以上が駆けつけたという。人の力を信じて集い合い、土に感謝する暮らしは、これからもたゆむことなく続いていく。 器に映るのは、 等身大の自分

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