住宅雑誌「チルチンびと」82号掲載 設計 田中敏溥
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63は、1年前に都心から鎌倉山に引っ越してきた画家の瀬川智貴さん。障子やガラス戸を引き込んで、宙に張り出すデッキ越しに眺めれば、広い空と緑の海が開け、視界を遮るものは何もない。「火と暮れなずむ景色を眺めながら飲む酒は、格別。朝は鳥の声で目覚め、リビングの窓を開ければ手すりをリスのつがいが走っている。毎日が、別荘気分ですよ」と瀬川さんは笑う。 大屋根が架かるおおらかな2階のLDK、天井はまっすぐテラスに向かって下り、外へ視線を誘う。ミッドセンチュリーや北欧のヴィンテージ家具と相まって懐かしい雰囲気を醸し出すのは、モダンなデザインの障子や昭和期によく見られたラワンベニヤの天井だ。 設計は、田中敏溥さん。ふだんはラワンはあまり使わず、天井も屋根バイキング社製のコンロ。強い火力に加え、吹きこぼれ防止機能やはずせる五徳など使い勝手抜群。この日はご近所の友人親子も遊びにきてにぎやかな食事に。ふだんは夫妻のお母さんたちと一緒にごはんをいただく。

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