建築家と造る木の家 設計◆大野 正博
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66作図・鈴木 聡(TRON/OFFice)造り付け家具とスキップフロアがつくる立体回遊式ハウスM邸の楽しさを解剖 家そのものの高さ関係と、造り付け家具の配置具合で立体的な構成になっているM邸。 1階から階段を回るように上がって2階もスキップフロア。外に誘われるデッキに、こもりたくなる秘密基地。つい子どもが駆け出したくなる段差。 置き家具と違って造り付け家具は動かすことができないので、不自由に思えるが、ゆるやかに居場所をつくり部屋を広々と使える。さらに収納も造り付けで押入があるから、おもちゃや食材もたっぷりしまえて部屋もすっきり。人を招いたときでも家族だけでも、居心地のよい空間だ。家の中の公園・パーゴラ付きデッキ団欒の場・掘り炬燵式座卓+キッチン21左/西面からの眺め。1階の上に木製ジャングルジムが載っているようにも見える。 右上/パーゴラとベンチがあることで、外に誘われる。 右下/木を組んだベンチの脚のデザイン。掘り炬燵式座卓にするため、床をスキップさせている。左2点/レンジフードもシンク台も杉で。施工は愛媛の西渕工務店。「東京だとこれだけの良材は集められない。地域の工務店の強みだね」と大野さん。 右/シンク奥にはたっぷりの押入収納が。片側は床がそのまま椅子に、もう片側にはベンチを。(画・大野正博)ベンチのデザイン。ふんだんに使われている無垢の板や自然素材は、西渕工務店の西渕菊寿社長のすすめもあってのことだった。35㎝70㎝茶の間デッキ

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