住宅雑誌「チルチンびと」73号掲載 設計 落合 雄二
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1 /料理に使うローズマリーを摘む奥さん。 2 /庭に自生しているフキは煮物に。 3 /パスタには摘んできたローズマリーを 添えて。 4 /季節のフルーツタルトに庭 のブルーベリーとミントをあしらって。 友人一家を招いてランチパーティ。「庭で採れた実や野菜って、いいですね。私たちも庭が欲しくなりました」と目を輝かせる友人夫妻。 体化する姿を思い描く。ヤマボウ シやエゴノキなどの大きな木は、 庭ごしに見える山とのバランスや 葉の茂り具合を考えて選んだもの。 「樹木も存在感がありすぎると、 木の家を圧倒してしまう。葉も、 風にそよぐ繊細なものがいいね」  自分たちで花や菜園も楽しみた いという意向を受け、全体の骨格 を決めた後、細部は一家に委ねる はからいも。 現在、剪定に始まる庭仕事はほ ぼご主人によるものだとか。「夜、 仕事から戻り、ホタルが光る山道 を歩きながら家の明かりが見えて くると〝ああ帰って来たな.とし みじみします。帰宅してから月明 かりの下での庭仕事は、最高の気 分転換ですね」とご主人。 対して「私は収穫専門(笑)」と 言う奥さん。「庭で穫れたブルー ベリーでジャムをつくったり、フ キを煮たりしてどんな味がするの か楽しんでます」と声を弾ませる。 フキは風が運んできた種がいつ の間にか芽吹いたもの。ほかにも ホトトギスやホタルブクロなどが 仲間入りし、庭に趣を添える。 この家らしい庭ができつつある が「まだまだ花を植えたいんです。 花は四季の訪れを教えてくれるか ら」と楽しそうに悩む遠藤さん夫 妻。来年の庭がまた楽しみだ。

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