『建築家と造る木の家』チルチンびと 91号掲載
6/8

97和の愉しみは欲しいけれども、海外の家具も多いと伝えたら、シンプルな木と漆喰のリビングになりました。明るくて、使いやすくて、空気もきれいなんです。上から /ストーブ脇で昼食を楽しむ夫妻。ストーブはESSE社の「Firewall39」。 /ポトフ、ピクルスなどを和食器によそって。 /キッチンには奥さんが選んだイタリアのタイルを。 右/床や造り付け家具の材は松本さんが長年付き合っている南会津の「きこりの店 オグラ」で調達。和室を設けた。古建具屋で夫妻が選んだ大正時代の引戸を開けると、モダンな障子と網代天井の3畳の部屋がある。「小さいけれども〝されど3畳〞ですね。〝籠もり畳〞と呼んでいます。主人はソファでくつろぐけれども、私は畳が好き。仕事から帰ってきた後や、家事の合間にここでごろごろ過ごすのが愉しみなんですよ」と語る。 日本人である以上、和の心地よさ・美意識は捨てきれないが、欧米化の影響を受けた暮らしが定着した今、それだけで暮らしを営むのも難しい。H邸は和洋それぞれの美しさ・機能性を適材適所で生かした住まいになった。 家づくりを振り返って楽しかったのは、松本さんとの打ち合わせもさることながら、自分たちの色を出せるもの選び。襖紙に古

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る