『建築家と造る木の家』チルチンびと 91号掲載
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96階段脇には、奥さんが籠れる和室が。階段を上がると、ご主人の書斎を設けたロフト階に至る。けのガスストーブで、揺らめく炎を味わいながら、夫妻は食事を楽しむ。大谷石の炉壁にオニグルミの床材、漆喰塗りの壁天井。松本さんは、自然素材の質感が押し付けがましくならず、かつシンプルすぎて味気なくならないような、デザイン・仕上げ方を考慮したと言う。「和を好まれながらも、慣れ親しんだのは椅子・テーブルの生活。リビングも畳にして床座で暮らすのは足腰に負担ですし、もともとお持ちだった家具もクラシックな洋風のものでした。そこで全体の空間は、和と洋どちらにも偏らず、漆喰と木でニュートラルな空間にすることを心がけました」(松本さん)。 ただ、階段脇には奥さんのための小さな

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