住宅雑誌「チルチンびと」78号掲載 設計◆松本直子
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られません」とご主人。多忙な仕事の中で家に帰って火を燃やしていると、気持ちが癒され、励まされているようにも感じるそうだ。 結婚以来、この近くのマンションに住んでいたUさん一家。姉弟二人の子どもの成長にともなって手狭になった部屋を住み替えようと住まい探しが始まった。 新居を建てる土地と別のマンション探しを並行して行う中、いち早く奥さんが取り掛かったのが、設計者探し。「昔から建物が好きで。雑誌などで調べたり、ネットで建築家のホームページなどをたくさん見て、好きになったのが松本直子さんでした」。女性らしい雰囲気のデザインの中に、木と自然素材を生かし、「和」のテイストも感じるその作風にご主人も惹かれた。「きれいなだけじゃなくて、暮らしを包み込んでくれる包容力を感じたんです」と奥さんは続ける。 「私の家をよく見ていただいてて、あの家のここ、あの家のどこ、とか具体的にご要望いただきました。都会の限られたスペースの中で、火も光や風も諦めず〝欲張って〞取り入れるのがポイントでしたね」と松本さ火の前でくつろぐため畳は最高の敷物記憶に残る家の中の火53

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