漆器
日本人が縄文時代の昔から漆文化を育ててきたことは、北海道函館市の垣ノ島B遺跡で約9000年前の漆工芸品が出土されたこと、また近年、福井県若狭町の鳥浜貝塚から出土した漆の枝が約1万2600年前のものと判明したことからも明らかとなりました。その後も、飛鳥時代に法隆寺「玉虫厨子」、奈良時代に「阿修羅像」、平安時代には「中尊寺金色堂」、鎌倉・室町時代の根来塗・・・などそれぞれの時代を象徴する美術工芸に用いられ、江戸時代には生活道具から贅沢品にまで全国各地に浸透し、英語で漆を“japan”というほどに、日本を代表する伝統工芸となっています。
創業以来350年の歴史を誇る「象彦」は、朝廷お抱えの漆器商として茶華道家元の道具や国賓や皇室への献上品、皇居の玉座にいたるまで華麗な工芸品の数々を手掛けてきた老舗。最高の蒔絵技術が失われないよう、これまで国宝や重要文化財の写しの制作などを行う一方、若い世代にも漆のよさを伝えたいと、日常使いの器にも力を入れています。「蕾カップ」は、見た目はカジュアルながら、木地作り、下地、下塗り、中塗り、上塗りという昔ながらの工程を経て丁寧に作られた器。内側は白漆、外側は、洗朱(あらいしゅ)、うるみ、溜(ため)と、温かみや可愛らしさのある伝統色3色を用い、軽くて丈夫で手になじむ形、どんな料理にも合わせやすい品の良い色味で、贈り物や普段使いにと幅広い世代に人気だそう。伝統の技と美、上質を暮らしの中で、身近に感じることができます。
蕾カップ(画像左から 洗朱/溜/うるみ) 各5,500円(税別)
京漆器 象彦(京都寺町本店)
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