木版画
木版印刷が日本に伝わったのは飛鳥時代。中国大陸から製紙技術とともに伝来したと言われます。江戸時代には「浮世絵木版画(錦絵)」の登場で一気に市場が拡大し、下絵を描く「絵師」、版を彫る「彫師」、色を摺る「摺師」を、それぞれ専門職として作業に特化する三者分業制印刷が確立されました。 伝来から1300年、それぞれの時代や地域の作り手たちが道具、原料、環境、想いにこだわり、古からの技術を守りながらも独自の表現を生み出します。京都では平安時代に根付いた木版印刷技術が、優美な宮廷文化や伝統芸能を吸収し「京版画」となりました。胡粉や雲母(キラ)などを用いた贅沢な風合い、日本画に見られる濃淡や色彩をそのまま再現して絵筆で描いたような繊細な手法が特徴です。
明治24年京都に創業した「老舗手摺匠 竹中木版」の五代目・竹中健司さんと職人さんたちは伝統的な手法を引き継ぎながら、時代に合った新しいデザインの提案や木版画教室などを通して、多くの人に「木版画」に親しんでもらいたいと、「竹笹堂」として工房兼店舗をつくりました。一枚一枚、手摺りの木版画を形にした雑貨や木版画を原画にしたアイテム、木版体験などさまざまな形で、印刷の原点ともいえる「木版印刷」を身近に感じることができます。
写真 : たや まりこ
竹笹堂
京都府京都市下京区綾小路通西洞院東入ル新釜座町737
TEL:075-353-8585 / FAX:075-353-8586
HP:http://www.takezasa.co.jp