線香花火
国産の線香花火は火玉が大きく、火花が四段階に変化するのが特徴で、段階ごとに名前があります。点火とともに、命が宿ったかのように膨らむ「蕾」。パチッ、パチッと一つずつ力強い火花が散り出す「牡丹」。勢いを増して「松葉」のように次々と火花が飛び出し、火花が一本、また一本と落ちていく「散り菊」・・・十数秒の間に人の一生のようなドラマがあります。その製法も非常に繊細で、職人の縒り方、火薬の量、気温や湿度によって一つ一つ違う表情を見せます。火薬は1本につき0.08グラム。わずか100分の1グラムの増減で、燃え方が大きく左右されます。手練れが作る線香花火は、途中で火の玉が落ちず、最後まで美麗な火花を放ち続けます。とくに注意を払うのが、火の玉を受け止める「首」と呼ばれる、火薬が入った膨らみの上のくびれの部分。専用の道具で紙の先に一つひとつ丁寧に火薬を盛り、人差し指と親指に全神経を集中させ、強弱をつけながら撚っていきます。
安価な中国産に押され、いまでは国産のものは希少な存在となりましたが、筒井時正玩具花火製造所では国内で唯一、300年変わらない線香花火の原型「スボ手牡丹」と、現在一般的に親しまれている「長手丹」の2種類の線香花火を制作しています。さらに、火薬には宮崎産の松煙、紙は福岡県八女市の手すき和紙を用い、その和紙を草木染めで仕上げたオリジナル「線香花火筒井時正」を開発するなど、伝統の光を大切に守り育てています。
筒井時正玩具花火製造所
HP:http://www.tsutsuitokimasa.jp/
取り扱い店:うなぎの寝床
〒834-0031 福岡県八女市本町267
TEL: 0943-22-3699
営業: 11:30〜18:00 月~水・休(営業:11:30〜18:00 木・金・土・日・祝日)
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