徳島県編 その二

澄み切ってどこまでも青く深い空の徳島。旅先では土地の人に、魅力ある場所やお店を紹介していただくことが多いのです。今回の案内役は徳島にある株式会社山田工務店の総務、整理収納アドバイザーでもある山田加容子さん。目が印象的で素敵な方です。「おすすめの徳島県内のショップやカフェがたくさんありますよ」となんとも頼もしい。ご紹介していただく前にお勤めの山田工務店のご紹介をしていただかなくては!

山田工務店の建てる家は徳島県内産を中心とした国産木材を100%使用し、工場で機械によるプレカットが主流の時代において、木材一本一本をすべて大工による昔ながらの手刻みで仕上げています。それによって日本の伝統的な家づくりの技術を若い大工に伝えて継承していくことになります。ハード面は建築士である代表取締役社長の山田文夫さんを柱にしっかりした技術を持った大工さんが、ノミ、カンナ、ノコギリ、差金等の手道具を使って本物の木の家を建築しています。ただ家を建てたら終わり、というのではなくて暮らして行く上でのソフト面、家族構成に合わせたインテリア、棚、テーブル、いすなどの家具、キッチンなどの水回りや照明器具、冷暖房に至るまであらゆる面で施主さん達にアドバイスをしてくれます。

山田工務店山田工務店山田工務店

また長年家族が使っていたものを新築時にリメイクもしています。例えば椅子に貼る布の提案をしたり、内障子を「あかり」に、タンスの引き戸をお盆に、下足箱の引き違い戸を両開きの戸に直したり、以前から愛着のあるものを引き続き使えるように工夫をします。家を建てた大工さんが作る家具だからこそ、家を愛おしく思うきっかけになると、確信しているからなのです。そんなアイディアは山田加容子さんが担当することもあるとか。家族の中で一番家事に携わる時間が長い女性しか気が付かないこと、細やかな部分も大切にしていきたいと考えているそうです。

さて、私たちは山田工務店の提案するツールの詰まっているモデルハウスにご案内いただきました。木の香りが充満する家。木の壁に木の棚。そして木の家具。障子の一部には徳島の藍で染められた和紙が使われていました。キッチンには食器棚が作り付けられており、ちょうどその上で作業ができるようになっています。ワインやティッシュのホルダー、ワイングラスを下げられる棚もあり工夫が嬉しいです。二階に向かう階段の踊り場の壁にも木の棚が作られていて、ここには家族の思い出の品や、子供の作った工作などが飾れます。床暖房が冬の寒さから家族を守ります。自然素材100%だから健康で安心してくつろげる空間ができあがっています。家族の笑う顔が目に浮かぶ家。大きな窓からはやわらかに日差しが降り注いていました。
 
山田工務店山田工務店山田工務店